2020年チーム戦力分析 統計手法を用いた戦力分析結果

得失点分析

球団の総得点と総失点を分析します。

球団得失点ランキング

Run diff

得失点:2020年の球団総得点‐球団総失点

得点:2020年の球団総得点、カッコ内は得点偏差(球団総得点‐平均総得点)

失点:2020年の球団総失点、カッコ内は失点偏差(平均総失点‐球団総失点)


パ1位のソフトバンク、セ1位の巨人共に得失点差が上位だが、 得失点差で3位のDeNA、4位の楽天は共にセ・パ4位。 グラフを見るとセ・パ共に1位、2位は右半分に位置しており、 失点を防いでいるチームが上位となっている。

得失点グラフ

Run diff chart

縦軸:得点偏差(総得点‐平均得点)、横軸:失点偏差(平均失点‐総失点)

上の球団は打撃が強く、右の球団は投手・守備が良い。右上の球団は打撃・守備共に高く強いチーム。

得点期待値分析

得点期待値は「年間でこれくらいヒット数や本塁打数を打てばこれくらい得点は取れるはず」という数値になります。

各試合におけるヒットや本塁打、四球などの打撃成績と得点のデータから回帰分析を行い、各打撃成績の得点係数を算出します。

各成績の打撃係数に球団の打撃成績を掛けることで、その成績における得点期待値を算出します。

得点係数の算出

Coef

各試合における得点と、単打、本塁打、四球などの打席結果に加え、盗塁、相手の失策など得点の原因となる結果を説明変数として回帰分析を実施。

ヒット1本の得点価値や四球、エラーの得点価値との比較もできます。

■2020年得点係数

切片=1.78 →試合開始直後の得点期待値が1.78点

単打=0.46 →単打1本の得点価値は0.46点

四球=0.30 →単打との差は0.1、ヒットとほぼ同じ価値がある

失策=0.57 →エラーは単打以上に得点価値が高い

得点期待値と失点期待値

Run expect

得点期待値は球団の年間打撃成績に得点係数を掛けた数値を足した値。合計が5925.3点であり実際の得点合計との差分は年間で0.3点。

失点期待値は球団の年間投手・守備成績に得点係数を掛けた数値を足した値。成績の合計数値は打撃成績と同じなので実際の失点との差分も0.3点。

得点(失点)期待値を見ることで、球団の打撃・投手・守備成績に基づく実力を定量化することができます。

得点期待値と実得点

Team offence score chart

縦軸:実際の得点、横軸:得点期待値、直線:近似直線

右上の方が打って得点が取れているチーム。

直線より上は期待値以上に得点を取っており、効率よく点が取れているチーム。

直線より下は期待値以上に得点を取っておらず、打ってはいるが点が取れていないチーム。

失点期待値と実失点

Team defense score chart

縦軸:実際の失点、横軸:失点期待値、直線:近似直線

左下の方が抑えていて失点が少ないチーム。

直線より下は期待値以上に失点しておらず、打たれても点を取られないチーム。

直線より上は期待値以上に失点しており、打たれた以上に点を取られているチーム。

期待値と実績の比較

Tactics analysis

得点期待値と実得点、失点期待値と実失点の差分を比較することで、 打っている以上に点が取れている、あるいは打たれてはいるが点を取られていない、など 戦力以外での得点(戦術効果)を定量化することができます。

戦術効果グラフ

Power tactics analysis

得点・失点期待値から実得点・失点への変化を矢印で表現、 矢印が上向きであれば期待値以上に得点を取っており、右向きであれば期待値より失点を防いでいます。

打撃分析

球団打撃成績から算出した得点期待値から打撃力を分析します。

打力分析

Team offence batting

■打撃成績の得点期待値

各球団がヒットや本塁打、四球などで他球団よりどれだけ稼いだかを得点化。 単打、二塁打、三塁打、本塁打、四球、三振、凡打、併殺打、死球、犠飛は、各球団の打撃成績と平均値の差分に得点係数を掛けた得点期待値。 成績が平均より多いと数値が高く、平均より少ないと数値が低い。背景色は高いほど青く、低いほど赤い。 打力は各数値の合計。

攻撃力分析

Team offence score

■得点要素の分解

・打力:単打、本塁打、四球など、打撃により稼いだ得点期待値。

・作戦:犠打、盗塁(盗塁死)により稼いだ得点期待値。

・攻撃力:打力+作戦

・相手ミス:相手の失策、暴投、捕逸により稼いだ得点期待値。

・得点期待値:攻撃力+相手ミス

・得点戦術:実得点‐得点期待値

投手・守備分析

球団投手・守備成績から算出した失点期待値から投手力・守備力を分析します。

投手力分析

Team defense pitching

■投手成績の失点防御期待値

各球団がヒットや本塁打、四球を他球団よりどれだけ防いだか、また三振や凡打をどれだけ稼いだかを得点化。 被単打、二塁打、三塁打、本塁打、与四球、奪三振、凡打、併殺打、死球、犠飛は、各球団の投手成績・守備成績と平均値の差分に得点係数を掛けた得点期待値。 単打や本塁打、四球は成績が平均より少ないと失点が少ないため数値が高く、三振や凡打は成績が平均より多いと失点が少ないため数値が高い。 背景色は高いほど青く、低いほど赤い。 投手力は各数値の合計。

防御力分析

Team defense score

■失点防御要素の分解

・投手力:奪三振、凡打、被安打による失点の少なさ。数値高いほど抑えている。

・守備:失策、暴投、捕逸による失点の少なさ。数値高いほどエラーが少ない。

・防御力:投手力+守備

・相手作戦:相手の犠打、盗塁(盗塁死)による失点の少なさ。数値が高いほど失点を与えていない。

・失点防御期待値:防御力+相手作戦

・防御戦術:失点防御偏差‐失点防御期待値

次回は得点係数を活用した選手の評価を行います。

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分析レポート