選手レポート

巨人#6 坂本 勇人
2000本安打に迫る巨人・坂本 これまでの歩み

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■2000本安打を視界に捉えて...


通算1884本安打でスタートした2020年シーズン。前半は不調に悩まされたが現在は調子を取り戻し、10月24日時点で2000本安打まで残り12本と今シーズン中の偉業達成も射程に捉えている。

そんな坂本勇人のこれまでの実績を振り返っていきたい。

■これまでの歩み


【1年目から存在感を発揮。球界を代表する打者へ】
1年目(2007年)から4試合に出場。9月6日の中日戦では延長12回に代打で出場し決勝打となるプロ入り初安打初打点を記録。
2年目(2008年)からレギュラーに定着。
3年目(2009年)に初めて打率3割を達成。
4年目(2010年)に初めて30HRを記録。
6年目(2012年)には初の打撃タイトルとなる最多安打を獲得。

【打撃フォームの改良を経て更なる進化を】
7-9年目(2013年~2015年)は不調に陥ることも多く、打率は2割台中盤止まりに。
~打撃フォームの改良に着手~
10年目(2016年)には首位打者を獲得。
13年目(2019年)にはシーズンMVPを獲得。

10年目以降は打撃フォーム改良の効果もあり、毎シーズン2割9分以上の安定した打率を残している。
守備面でも通算3度のゴールデングラブ賞を獲得するなど、攻守両面でNPBを代表する選手と誰もが認める存在である。

■対戦投手別通算安打数(ベスト10)


1 石川 雅規(S) 155打数 48安打 打率: .310
2 メンセンジャー(T) 125打数 44安打 打率: .352
3 能見 篤史(T) 134打数 39安打 打率: .291
4 大野 雄大(D) 124打数 39安打 打率: .315
5 岩田 稔(T) 103打数 38安打 打率: .369
6 吉見 一起(D) 109打数 35安打 打率: .321
7 野村 祐輔(C) 77打数 30安打 打率: .390
8 前田 健太(C) 106打数 25安打 打率: .236
9 館山 昌平(S) 49打数 25安打 打率: .510
10 久保 康友(De) 60打数 24安打 打率: .400
※括弧内は現在のNPB所属または最終所属チーム

対戦投手別安打数/打率を見ても坂本の凄さがよく分かる。
単に安打数が多いだけではなく、前田健太を除く各投手からいずれも3割近い打率を残しているのは特筆すべき点である。

各チームのエース格が相手でもしっかり成績を残せることが、若くからチームの主力として認められた要因の一つだろう。

■通算安打記録更新への道のり


31歳とまだ若い坂本にとって、2000本安打は通過点に過ぎないはずだ。今やファンの期待は張本勲氏のもつNPB通算安打記録(3085本)の更新にまで及んでいる。
そこで張本氏との年度別安打数を比較しつつ、記録更新の可能性を探ってみたい。

【年齢:張本 ⇔ 坂本】
19:115(115) ⇔ 1  (1)
20:116(231) ⇔134 (135)
21:159(390) ⇔178 (313)
22:157(547) ⇔171 (484)
23:148(695) ⇔149 (633)
24:151(846) ⇔173 (806)
25:133(979) ⇔147 (953)
26:146(1125)⇔152(1105)
27:139(1264)⇔129(1234)
28:122(1386)⇔168(1402)
29:160(1546)⇔157(1559)
30:176(1722)⇔152(1711)
31:150(1872)⇔173(1884)
32:169(2041)⇔104(1988)
33:143(2184)
34:138(2322)
35:113(2435)
36:182(2617)
37:153(2770)
38:131(2901)
39: 60(2961)
40: 89(3050)
41: 35(3085)
※括弧内の数値は通算安打数

32歳を迎える今シーズンに2000本近くに到達することを考えると、ここまでは張本氏と大差はないペース。
張本氏は33歳~38歳までのシーズンで年間平均約140本、一方で坂本はレギュラーに定着した2008年から昨シーズンまで年間平均157本の安打を放っている。
加齢とともに安打数が下降する可能性を考慮しても、あと6~7年コンスタントに試合に出続けられれば、NPB通算安打記録の更新も夢ではない位置にいると言えるだろう。

■歴史に名を刻む選手へ


近年はイチロー氏や松井秀喜氏をはじめとしてトップ選手はMLBに挑戦する傾向が強いため、NPB通算記録が更新されることは少なくなっている。そんな時代だからこそ生涯日本球界でのプレーが期待できそうな坂本への注目度は高い。

ショートは身体に負担がかかるポジションだけに、いかに負担を減らしつつ、試合に出続けられるかが今後の更なる飛躍のカギになるだろう。前人未到の記録達成を先に見据えて、まずは今シーズン中の2000本安打達成を一ファンとして楽しみにしたい。

※データは全て2020年10月24日終了時点のもの

2020/10/26 by 19000034